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肩こり対策に筋トレがおすすめな理由|僧帽筋と血流の関係

4 日前
読了時間: 9分
肩を押さえる女性と背中の筋肉図。肩こりは筋肉の使いすぎが原因?「動かさないこと」も関係するという解説ポスター。

「肩が重い……」

「首から肩にかけて、いつもガチガチに硬くなっている」

「マッサージを受けると楽になるけど、しばらくすると元に戻ってしまう」


このような肩こりに悩まされている方は多いのではないでしょうか?


肩こりというと、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、姿勢の悪さ、筋肉の使いすぎなどが原因として挙げられることが多いと思います。


しかし、ここで一つ質問です。


「筋肉は、動かしていなければ疲れない」と思っていませんか?


実は、筋肉は大きく動かしていなくても働いていることがあります。


そして、長時間同じ姿勢を続けることが、肩こりに関係している場合もあるのです。


今回は、肩こりと深い関係がある「僧帽筋」という筋肉に注目し、肩こりが起こる仕組みや、筋トレが肩こり対策に役立つ理由について解説していきます。



① 肩こりと深い関係がある「僧帽筋」とは?


肩こりと深い関係がある僧帽筋の解説図。背中の女性の後ろ姿に上部・中部・下部を色分けし、肩をすくめる、肩甲骨を寄せる、腕を上げる動きを示す。

肩こりを感じる場所として多いのが、首の付け根から肩にかけての部分です。


この部分には「僧帽筋(そうぼうきん)」という大きな筋肉があります。


僧帽筋は、後頭部から首、肩、背中にかけて広がっている筋肉で、大きく分けると上部・中部・下部の3つに分類されます。


それぞれ働きは異なりますが、主に肩甲骨を動かしたり、安定させたりする役割を担っています。


例えば、

  • 肩をすくめる

  • 肩甲骨を背骨に近づける

  • 腕を上げる際に肩甲骨を動かす

  • 肩甲骨の位置を安定させる

といった働きがあります。


そして、今回特に知っていただきたいのが、僧帽筋は腕の重さを支える働きにも関係しているということです。



② 実は腕って結構重い!何もしていなくても肩は働いている


腕は重い!肩甲骨を支える僧帽筋の解説図。後ろ姿の背中筋肉、デスクワークや3kgダンベルの例を示す日本語インフォグラフィック

皆さんは、自分の腕がどのくらい重いか考えたことがありますか?


一般的に、片腕の重さは体重の約5%程度とされています。


例えば、体重60kgの方であれば、片腕の重さは約3kg。


両腕を合わせると約6kgにもなります。


想像してみてください。


3kgのダンベルを手に持ち、長時間同じ姿勢を維持するとどうでしょうか?


きっと、腕や肩が疲れてくると思います。


もちろん、実際の腕の重さは骨格や靭帯、複数の筋肉によって分担して支えられているため、僧帽筋だけに3kgの負荷がかかっているわけではありません。


しかし、腕を動かしていないときでも、肩甲骨や肩関節の位置を保つために筋肉は働いています。


つまり、「腕を動かしていない=肩の筋肉が休んでいる」ではないのです。


特に、長時間同じ姿勢を続けていると、僧帽筋をはじめとした肩周囲の筋肉が持続的に活動し、疲労や不快感につながることがあります。



③ 筋肉は「使いすぎ」だけでなく「動かさないこと」でも疲れる?


肩と首の筋肉の血流を説明する図。左は同じ姿勢で僧帽筋が緊張し血流低下、右は肩を動かして収縮と弛緩を繰り返し血流促進。

筋肉が疲れる原因として、運動や力仕事などによる「使いすぎ」を想像する方は多いと思います。


しかし、筋肉の負担は激しく動かしたときだけに生じるものではありません。


例えば、重い荷物を持ち上げる動作と、軽い荷物を長時間同じ位置で持ち続ける動作。


どちらも筋肉を使っていますが、負担のかかり方は異なります。


筋肉には、動きを伴いながら力を発揮する働きと、同じ姿勢を維持するために力を発揮する働きがあります。


後者のように、筋肉の長さを大きく変えずに力を発揮することを「等尺性収縮」といいます。


デスクワークなどで同じ姿勢を長時間続けていると、首や肩の筋肉がこのような働きを続けている場合があります。


そして、筋肉が持続的に収縮すると、筋肉内部の血管が圧迫され、血流が一時的に減少することがあります。


筋肉には酸素や栄養を届けるための血液が必要です。


そのため、持続的な筋活動や局所的な循環の変化が、筋肉の疲労感や肩こりに関係する可能性があります。


ただし、同じ姿勢を続ければ必ず血流が悪くなるというわけではなく、筋肉の活動量や姿勢、個人差によって影響は異なります。


大切なのは、筋肉を同じ状態に固定し続けず、適度に動かすことです。



④ 「利き腕じゃない方がこる」のはなぜ?


利き腕と反対側の肩がこる理由を説明する図解。机でPC作業する女性の背面と僧帽筋の模式図、血流・収縮/弛緩の解説、見出し付き。

肩こりについて、こんな疑問を持ったことはありませんか?


「右利きなのに、左肩の方がこるんです」

「左腕はあまり使っていないのに、なぜ左肩がこるんでしょうか?」


一見すると、不思議ですよね。


よく使う利き腕側の肩がこるなら理解できますが、あまり使っていない反対側の肩がこるのはなぜでしょうか?


ここで思い出していただきたいのが、先ほど説明した腕の重さです。


右腕も左腕も、それぞれ重さがあります。


つまり、利き腕ではない方の肩も、腕の位置を保つために負担を受けているのです。


さらに、利き腕と反対側では、筋肉の使われ方が異なることがあります。


例えば、右利きの方であれば、右腕は物を持つ、手を伸ばす、作業するといった動作で頻繁に動かしています。


その際、肩周囲の筋肉も収縮と弛緩を繰り返します。


一方、左腕はあまり大きく動かさず、同じ位置に置いたままになっているかもしれません。


筋肉を動かす機会が少ないと、筋ポンプ作用による循環の促進も少なくなります。


そのため、左右の肩の不快感に違いが生じる一因になる可能性があります。


もちろん、利き腕と反対側が必ずこりやすいというわけではありません。


実際には、姿勢の左右差、作業環境、筋力、過去のけがなども関係します。


それでも、ここで覚えていただきたいことがあります。


「動かしていない筋肉」と「使っていない筋肉」は違うということです。



⑤ 肩こり対策に筋トレがおすすめな理由① 血流を促す


肩こり対策というと、ストレッチやマッサージを思い浮かべる方が多いと思います。


もちろん、それらも身体を楽にする方法の一つです。


しかし、今回おすすめしたいのは「筋トレ」です。


その理由の一つが、筋肉を動かすことで血液循環を促せることです。


筋肉は収縮と弛緩を繰り返すことで、周囲の静脈の血液を押し流す働きをします。


これを「筋ポンプ作用」と呼びます。


例えば、ふくらはぎは歩くたびに収縮と弛緩を繰り返し、血液が心臓へ戻るのを助けています。


肩周囲の筋肉にも、筋肉を動かすことで局所の血流が変化するという特徴があります。


筋トレでは筋肉の収縮と弛緩が繰り返され、運動に伴って筋肉への血流も増加します。


これにより、酸素や栄養の供給、代謝によって生じた物質の移動などが促されます。


ただし、筋トレ中は収縮によって一時的に血流が制限される場合もあり、常に血流が増え続けるわけではありません。


重要なのは、適度な運動によって筋肉の活動と循環に変化を生み出すことです。


長時間同じ姿勢で固まっている肩を、定期的に動かしてあげる。


これだけでも肩こり対策として意味があります。



⑥ 肩こり対策に筋トレがおすすめな理由② 腕を支える能力を高める


筋トレをおすすめするもう一つの理由が、筋肉の能力を高められることです。


先ほど、僧帽筋は肩甲骨を安定させ、腕の重さを支える働きに関係していると説明しました。


では、その筋肉の力や持久力が不足しているとどうなるでしょうか?


同じ姿勢を維持する場合でも、筋肉の能力に対して負担が大きければ、疲労しやすくなる可能性があります。


反対に、筋トレによって筋力や筋持久力が向上すれば、日常生活で必要な筋活動に余裕が生まれることが期待できます。


例えば、これまで少しの作業で疲れていた筋肉が、トレーニングによって同じ作業に耐えやすくなるイメージです。


ただし、僧帽筋を鍛えれば必ず肩こりが治るというわけではありません。


肩こりには僧帽筋以外の筋肉や肩甲骨の動き、首の状態なども関係します。


そのため、僧帽筋だけを集中的に鍛えるのではなく、肩甲骨周囲の筋肉をバランスよく動かすことが大切です。



⑦ 自宅でできる!肩こり対策におすすめの筋トレ


肩こり対策の筋トレ解説ポスター。女性の肩すくめ運動と肩甲骨寄せ運動を図解し、やり方や注意点、効果を説明している。

それでは、実際に自宅でできる簡単な運動を紹介します。


① ショルダーシュラッグ(肩すくめ運動)

僧帽筋上部を中心に動かす運動です。

やり方

  1. 背筋を自然に伸ばして立つ、または椅子に座る

  2. 両肩を耳に近づけるようにゆっくり持ち上げる

  3. 1〜2秒程度キープする

  4. ゆっくり肩を下ろす

  5. 10〜15回を目安に繰り返す

肩を上げるだけでなく、ゆっくり下ろすことも意識しましょう。

肩の痛みが強くなる場合は無理をしないでください。


② 肩甲骨寄せ運動

僧帽筋中部など、肩甲骨を内側に寄せる筋肉を動かす運動です。

やり方

  1. 背筋を自然に伸ばす

  2. 両肘を軽く曲げる

  3. 肩甲骨を背骨に近づけるようにゆっくり動かす

  4. 2〜3秒キープする

  5. ゆっくり元に戻す

  6. 10〜15回を目安に繰り返す

肩を無理に後ろへ引きすぎず、自然な範囲で行いましょう。

最初は重りを使わず、自分の腕の重さだけで十分です。

慣れてきたら、軽いチューブなどで少しずつ負荷を加えてもよいでしょう。


筋トレは、強い負荷をかけることだけが目的ではありません。


「筋肉を動かす習慣を作ること」と「少しずつ筋肉の能力を高めること」が大切です。



⑧ マッサージだけでなく、筋肉を動かす習慣を


肩がこったとき、マッサージを受けたり、温めたりすることで楽になる方も多いと思います。


それ自体が悪いわけではありません。


ただ、肩こりを繰り返している場合は、普段の筋肉の使い方にも目を向けてみてください。


長時間同じ姿勢を続けていないか?


肩甲骨を動かす機会が少なくなっていないか?


肩周囲の筋肉が疲れやすくなっていないか?


肩こり対策は、硬くなった筋肉をほぐすことだけではありません。


筋肉を動かして循環を促し、筋力や筋持久力を高めることも、身体の負担を減らすための選択肢になります。


また、肩こりが強い方ほど、最初から負荷の高い筋トレを行う必要はありません。


軽い運動から始め、痛みや疲労の状態を確認しながら少しずつ取り組んでいきましょう。


なお、腕のしびれや筋力低下、強い痛みなどがある場合は、単なる肩こりではない可能性もあるため、医療機関での評価が必要です。



まとめ|肩こり対策は「ほぐす」だけでなく「鍛える」ことも大切


今回のポイントをまとめると、

  • 僧帽筋は肩甲骨を安定させ、腕の重さを支える働きにも関係している

  • 腕を動かしていなくても、肩周囲の筋肉は働いている

  • 筋肉の持続的な緊張や血流の変化は、肩こりに関係する可能性がある

  • 筋肉を動かすことで血液循環を促すことができる

  • 筋トレによって筋力や筋持久力を高めることは、肩こり対策の一つになる


肩こりというと「筋肉が硬いからほぐさなければ」と考えがちです。


しかし、肩の筋肉は日常生活の中で常にさまざまな役割を担っています。


その筋肉を適切に動かし、日常生活の負担に耐えられる状態を目指すことも重要です。


肩こり対策は「ほぐす」から「動かす・鍛える」へ。


毎日の生活に少しずつ運動を取り入れて、肩こりに悩まされにくい身体づくりを目指していきましょう。


ささのうち整体院では、肩周囲の筋肉だけでなく、肩甲骨や胸椎、身体全体の動きにも目を向けながら、一人ひとりの状態に合わせたケアを大切にしています。


最後までご覧いただきありがとうございました。

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