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それ本当にヘルニアによる痺れ?

10月5日
読了時間: 8分
背中と脚に赤い痛みの表示がある人物の背面と、ヘルニア図解。大きく「それ本当にヘルニアによる痺れ?」と表示。

「病院でヘルニアと言われました」


腰から足にかけての痛みやしびれで来院される方から、このようなお話を聞くことがあります。


MRIを撮って「腰椎椎間板ヘルニアがあります」と説明されると、

「このしびれはヘルニアが原因なんだ」

「ヘルニアがある限り治らないのでは?」

「ずっとこのままだったらどうしよう……」

と不安になってしまう方も少なくありません。


もちろん、椎間板ヘルニアによって神経が影響を受け、足のしびれや痛み、感覚異常、筋力低下などが起こることはあります。


しかし、大切なのは、

「ヘルニアがあること」と「現在の症状の原因がヘルニアであること」は、必ずしも同じではない

ということです。


今回は「ヘルニアとは何なのか?」から、しびれの種類、血流との関係、そして当院がどのように考えているのかをできるだけ分かりやすくご紹介します。



そもそも「ヘルニア」とは?


椎間板ヘルニアの解説図。正常な腰椎とヘルニアを左右比較し、椎間板の突出と神経圧迫、症状の有無の違いを示す。

背骨は「椎骨」という骨が積み重なってできています。


その椎骨と椎骨の間にあり、クッションのような役割をしているのが椎間板です。


椎間板の中心には「髄核」、その周囲には「線維輪」と呼ばれる組織があります。


加齢による変化や繰り返される負担などによって椎間板の一部が後方などへ飛び出した状態が、一般的に「椎間板ヘルニア」と呼ばれます。


腰で起これば「腰椎椎間板ヘルニア」、首で起これば「頚椎椎間板ヘルニア」です。


飛び出した椎間板が近くの神経根などに影響すると、その神経が担当している範囲に沿って痛みやしびれ、感覚の低下、筋力低下などが現れることがあります。


つまり、

ヘルニアそのものが症状なのではなく、ヘルニアによって神経にどのような影響が生じているのか

を見ることが重要になります。



「しびれ」は全部同じではありません


しびれは全部同じではありません。脚の神経図を中心に、左に神経異常のサイン、右にジンジン・ピリピリなど原因不明の感覚を比較する説明図。

患者さんから「足がしびれます」と聞いても、その「しびれ」の感じ方は人によって大きく異なります。


例えば、

「触られている感じが鈍い」

「左右で触った感覚が違う」

「足に力が入りにくい」

「足首や指が動かしにくい」

という方もいれば、

「ジンジンする」

「ピリピリする」

「チクチクする」

「ビリビリする」

「重だるい」

「締めつけられる感じがする」

という方もいます。


これらをすべて「ヘルニアによるしびれ」と一括りにしてしまうと、本当の原因を見落としてしまう可能性があります。



神経の影響を特に疑う症状


当院では「しびれがあるか、ないか」だけではなく、どのような感覚異常が起きているのかを重要視しています。


例えば、

・触った感覚が明らかに鈍い

・左右で感覚に大きな差がある

・足や手に力が入りにくい

・以前できていた動きができない

・つま先や足首が持ち上がりにくい

・症状が徐々に強くなっている

などの場合です。


このような症状では、神経の機能そのものに影響が出ている可能性を考える必要があります。


特に明らかな感覚低下や筋力低下、麻痺が疑われる場合には、整体だけで判断するのではなく医療機関での評価が重要だと当院では考えています。


また、

排尿・排便がうまくできない、股の周囲の感覚がおかしい、急激に足の力が入らなくなった

などの症状がある場合には、早急な医療機関の受診が必要です。



「ジンジン・ピリピリ=ヘルニア」とは限らない


「ジンジン・ピリピリ=ヘルニア?」の解説図。筋肉・神経・血流・姿勢・身体の使い方など複数要因を示す医療系インフォグラフィック。

では、

「足がジンジンする」「ピリピリする」「長く座っているとしびれる」

といった症状はどうでしょうか?


もちろん、このような症状も神経の刺激によって起こる可能性があります。


しかし、それだけではありません。


身体の感覚には神経だけでなく、血流や筋肉の状態、姿勢、身体の使い方など、さまざまな要素が関係しています。


例えば長時間同じ姿勢を続けていると、筋肉が緊張したり、局所的に血流が変化したりすることがあります。


皆さんも正座をした後に足が「ジンジン」「ビリビリ」した経験があるのではないでしょうか。


これは「腰のヘルニアが突然悪化した」わけではありませんよね。


血流や末梢神経への一時的な影響によっても、私たちは「しびれ」と表現するような感覚を感じることがあります。


そのため、

「ジンジンするから神経」「ピリピリするからヘルニア」

と、感覚の表現だけで原因を決めることはできません。



筋肉が関係していることもあります


筋肉の過度な緊張や身体の使い方によって、痛みやしびれに似た感覚が出ているケースもあります。


例えばお尻や股関節周辺の筋肉が過剰に緊張している場合、臀部から太もも、場合によっては下腿にかけて違和感を感じることがあります。


ここで大切なのは、

「症状が出ている場所」と「原因になっている場所」が同じとは限らない

ということです。


腰から足に症状があるからといって、必ず腰だけに原因があるとは限りません。


股関節の動き、骨盤の位置、足首の動き、体重のかけ方などが変われば、それを補うために腰や臀部の筋肉へ負担が集中することもあります。


当院では症状のある部分だけを見るのではなく、足首・股関節・骨盤・腰・胸郭など身体全体の動きを確認することを大切にしています。



MRIでヘルニアがあっても無症状の人がいる


ヘルニアがあっても無症状とは限らないと示す医療図。MRI画像で椎間板突出を示し、40代女性は痛み、40代男性は無症状と比較。

ここはぜひ知っていただきたいポイントです。


MRIで椎間板の膨隆や突出が見つかったとしても、必ず症状が出るわけではありません。


腰痛も足のしびれもない方のMRIを撮ってみると、椎間板の膨隆や突出などが見つかることがあります。


つまり、

「画像にヘルニアがある=現在の痛みやしびれの原因」

とは限らないのです。


画像検査は非常に重要ですが、画像だけではなく、

「どこに症状があるのか」

「どのような動きで変化するのか」

「感覚低下はあるのか」

「筋力低下はあるのか」

「画像上の場所と症状が一致しているのか」

などを合わせて考える必要があります。



ヘルニアは一生そのままとも限らない


「ヘルニアは自然に小さくなることもある」という説明図。椎間板が突出し、免疫で処理され縮小する3段階の脊椎断面と、下部に笑顔の男性。

「一度飛び出した椎間板は、ずっと飛び出したまま」

と思っている方も多いのですが、実はそうとも限りません。


腰椎椎間板ヘルニアでは、時間の経過とともに飛び出した椎間板組織が小さくなる自然退縮・自然吸収が起こることがあります。


特に椎間板組織が大きく外へ出たタイプでは、身体がその組織を処理することで、画像上でもヘルニアが縮小していくケースがあります。


そのため、ヘルニアと診断されたからといって、

「もう元には戻らない」「一生付き合っていかなければならない」

と必要以上に悲観する必要はありません。


ただし、すべてのヘルニアが自然に消えるわけではなく、症状の程度によっては医療的な治療が必要になる場合もあります。



「ヘルニアがあるか」より「神経の機能」が大切


当院が特に重要だと考えているのがここです。


例えばMRIでヘルニアが見つかっていたとしても、

・筋力は正常

・明らかな感覚低下がない

・姿勢によって症状が変化する

・身体を動かすと楽になる

・筋肉の緊張を変えると症状が変わる

・股関節や足首の動きを改善すると症状が変化する

という場合には、ヘルニア以外の要素が症状に関係している可能性も考える必要があります。


反対に、

「力が入らない」

「触られている感覚が明らかに鈍い」

「筋力が徐々に低下している」

などが認められる場合には、神経への影響を疑い、医療機関での検査を優先します。


この見極めが非常に重要です。



当院で対応を検討できる「しびれ」


当院では、

「病院でヘルニアと言われたから」

という理由だけで、すべての症状をヘルニアによるものとは考えません。


筋力や感覚に明らかな異常がなく、

「ジンジンする」

「ピリピリする」

「重だるい」

「姿勢によって変わる」

「動いていると変化する」

「腰やお尻の筋肉が張ってくると症状が出る」

といったケースでは、筋肉の緊張、関節の動き、姿勢、身体の使い方なども評価します。


例えば足首の動きが悪くなれば、その動きを股関節や骨盤、腰で補わなければならないことがあります。


その結果として腰や臀部へ負担が集中しているのであれば、症状のある場所だけを施術しても十分とは限りません。


「どこがしびれているか」だけではなく、

「なぜそこに負担がかかっているのか」

まで考えることが大切です。



ただし「しびれだから整体で大丈夫」ではありません


今回一番お伝えしたいのは、

「ヘルニアではないから大丈夫」

ということではありません。


しびれには、神経だけでなく血管やその他の病気が関係している場合もあります。


特に、

・急激に症状が悪化した

・筋力低下がある

・足が動かしにくくなってきた

・感覚が明らかに鈍い

・排尿、排便の異常がある

・股の周囲の感覚がおかしい

・歩行が急に難しくなった

・安静にしていても強い症状が続く

といった場合には、まず医療機関への受診をおすすめします。


整体院の役割は、すべての症状を施術することではありません。


「当院で対応できる状態なのか、それとも医療機関で詳しく調べるべき状態なのか」

を考えることも、とても大切な役割だと考えています。



まとめ|画像だけで「ヘルニアのせい」と決めつけない


「ヘルニアがあります」


そう言われると、不安になるのは当然だと思います。


しかし、

ヘルニアがある=必ず症状が出るしびれがある=すべてヘルニアが原因

ではありません。


ヘルニアがあっても症状のない方はいますし、時間とともにヘルニアそのものが小さくなるケースもあります。


一方で、感覚低下や筋力低下など、神経機能への影響が疑われる場合には、医療機関での評価を優先すべきです。


そして、ジンジン・ピリピリといった感覚や痛みについては、神経だけでなく筋肉、血流、姿勢、関節の動きなど複数の要素が関係している可能性があります。


大切なのは「ヘルニアという名前」だけを見ることではありません。


どのような症状なのか。

どこに出ているのか。

何をすると変化するのか。

筋力や感覚に異常はないのか。


身体の状態を一つずつ確認していくことが重要です。


「ヘルニアと言われたから、このしびれは仕方がない」


そう決めつける前に、

「それ、本当にヘルニアによるしびれ?」

と一度身体全体を見直してみることも大切です。


最後までご覧いただきありがとうございました。

 
 
 

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